代々木上原でタイプでもない人とお茶を飲んでモスクへ行く 〜私の知らない「ナイモン」の使い方

ときどき、東京カレンダー読者のお友達(ここでは「とうかれくん」と呼ばせていただきます)と、「報告会」のような食事をしています。


▲とうかれは、成功者に相応の体験を〜、みたいな感じの雑誌です。最終面接で採用されず悔しい思いをした覚えがあります


とうかれくんはもともと私の同居人の友人だったのですが、私のような奔放でフラフラしている人が珍しいのかなぜか仲良くしてくれるのでした。


彼は港区にこそ住んでいませんが、いわゆるハイスペ系男子で歳も若く腰も低くたぶんお育ちもよく、そのあとに性行為を控えているわけでもないごはんとかにもかかわらず「店内にバスタブがあるダイニング」「看板のない完全個室割烹」「地上250メートルでブランド牛を」といったたいそう(東カレの一特で紹介されてそうな)すけべなお店をチョイスしてくれるのです。



わたしといえばコスパ重視味重視雰囲気なにそれおいしいの?みたいなおじさんでございまして、いつも自分の手札は「きったないしおばちゃんの接客がくどいけど素材が極上」とかそういう感じなので、お相手に任せがちとなっております。


先週末の日曜日に行われた報告会では、
なんかプロに焼いてもらったほうが絶対おいしい部位の肉を自分で湯に通す狼藉飯(具体的に書くといやらしい感じなのでふんわりと描写)を食べながらよしなしごとを話していたのですが、話題は彼が「9monsters」(通称ナイモン、ゲイ出会いレーダー系アプリです)で最近めちゃめちゃ人と会っているという話になりまして。


その日は休日だったのですが、僕とごはんを食べる前にも2人と会ってきた(!?)という話を聞いていたわけです。しかもこの後も外国の方から会おうよとしつこく誘われていてそれを断っているという……。





2、3ヶ月前に彼がナイモンをはじめたのは知っており、その時LINEで連絡をとったら「かわいい人はたくさんいるのですが、ぜんぜん会うには至らないですね……」と言っていたのに、どんなパラダイムシフトが起こったというのでしょうか。



ていうか射精できすぎじゃない? 

ハイスペ男子でも一皮むいたら男の子。

この子もちんちん虫なんだわ!!!


って思うじゃ〜ん? で、なんでそんなに会いまくってるかはよくわからなかったのですが(仕事が今ちょうど暇になったから、みたいな理由だった気がする)


「会ってもセックスをしたことは一度もない」と言い切ったのです。

しかも、そんなにタイプじゃなくてもがんがん会うのだという。


「嘘でしょ〜」と言いつつ、何をしているかを聞いてみまして。


「年上でも年下でも、外国の方でも、いろんな方と会ってみようと思って…お茶や食事をしながらお話をしています。セクシーな気持ちがないというと意外がられるし、それで会ってもらえなくなることも多いんですけど……いろんな人の話を聞くのが楽しいんです。の間は代々木上原でお茶をしたあとモスクに行ったんですよ。とっても綺麗でした」


と、モスクの写真を見せられる私。

東京ジャーミィ、確かにきれいでした。行ってみたい♡


じゃなくて。


こんなの、私の知っているナイモンではありません!!


ナイモンはご存知の通り、ざっくり言うと「出会いがメインのゲイアプリ」で、SNS的に使う(ハウリングでの近況報告/LINE交換するまででもない相手との連絡方法等)のが一般的ですが、その中にいる人達の自意識とか欲望とかが溢れているところが醍醐味(おいしいところのことです)だと思っています。


・人気ユーザー●回目(日付つき)ありがとうございます(知らねえ)

・種だの生穴だのを探して昼夜問わずハウリングし続ける人(お疲れ様です)

・「前立腺打ち抜きます」「●時間掘ります」「必ずドライで何度もイカせます」
というパイオニア系タチの皆さん(たぶん相手の方が上手なケースが多いと思うんですよね)

・なぜか多い、唐揚げとアイスが好物の子供舌の人(いっしょにファミレス行けたらいいね)

・そしてそれらの観察をはじめ、諜報ツール、生存確認ツールとして利用する人(私です)


……挙げていけばキリがありませんが、性欲や自意識が絡む場であるがゆえに、そういった「ダークサイド」っぽいところにこそナイモンの本質(というか、おもしろさ)が宿っていると思いこんでいた私は「見識を広げるために人といろいろな立場の人と会うことができるツールの面白さを感じています」的なことを言われてこちらがパラダイムシフトを起こしそうになりつつも


「でも絶対1、2回くらいやってるよね?」


というコメントをその後の会話にいちいち挟んで自分の心の薄汚さを更に浮き彫りにし、今回の報告会は幕を閉じたのでした。


でも、彼にとってはそういえば私も飯を食ってお話をするだけのナイモンで会ったのと変わらない人なんだわ、ということに今気づきました。
ほんとうに誰ともやってなかったらどうしよう!怖い!



こういうのもきっと、ダイバーシティ。



この記事へのコメント